大学を卒業してから、ずっと福祉の仕事をしています。そのためか、
自然と顔の表情が柔らかくなるみたいで、街を歩いているとよく
「道を教えてほしい」とか、「駅はどっちですか」とか尋ねられ
ます。観光地に行けばかなりの確率で「写真撮ってもらえますか」
とカメラを渡されます。 少し前に、北区黒川のバス停で、バスを
待っていたときの話です。バス停で、バス待ちの方が10名ほど
いたでしょうか。私は、先頭から5番目くらいの場所で、バスを
待っていました。すると、遠くのほうに電動車いすに乗った
障がい者の男性が見えました。上手に操作レバーを使っており、
慣れた感じでした。そのまま、近くを通り過ぎるかなと思っていた
ら、突然 私の目の前に車いすを停車させ、「ここ(肘かけ)の
ネジが取れそうなので、直してほしいです。」と言われました。
目が合っていたわけではありませんが、何人かいる中で私に声を
かけてこられました。 仕事で車いすを修理することもあるので
「いいですよ。」とネジを取り付けると、「ありがとう・・。」と
言われて、その場を立ち去りました。
その方がなぜ私(平野)に声をかけてきたのかわかりませんが、
役に立ったのだから、まあいいか・・と自分を納得させました。