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体圧分散マット


体が動かせる方は無意識に動いて圧やズレを解消することができますが、自分で体を動かせない方は長時間それを受け続けることにより褥瘡が発生します。これを防ぐ為に「除圧」が必要になってきます。楠清里苑でも体圧分散マットを使用し、褥瘡予防に努めています。


取り扱い企業から先生に来ていただき、マットの構造や特性、使用するべき人などスライドを使用しながら細かく教えていただきました。


圧力を可視化して確認



圧力測定マットを使用して、どの部分に圧がかかっているのかを確認しました。全体に均等に圧がかかっているのではなく、腰、頭、背中、足の一部などばらついて圧がかかっているのが分かります。


色々な体勢で見てみます


膝を立てると、圧のかかっている部分と強さが変化しているのがわかります。腰の部分に強い圧がかかって赤色になり、上を向いて寝た時には見られなかった足の裏への圧が出現しています。



リクライニング式の車イスも、どの様に圧がかかっているか確認しました。上はあまり背もたれを上げていないフラットな状態です。ベッドで上を向いて横になった時に圧分布の形は似ていますが、肩の一部と、マットと違って頭が沈まないので頭部の一部に強めの圧がかかっているのが分かりますね。



背もたれの角度を徐々に上げてみると、角度が上がる度にお尻にかかる圧が強くなっていくのがわかります。


除圧しましょう


体勢と圧の関係が分かったところで、その圧を抜くための除圧をしていきます。


ポジショニングクッションを当てて除圧していきますが、体を少しだけ傾けてその隙間にねじ込む様にクッションを入れると生地や皮膚などがよれてズレが出来てしまい、これも褥瘡の原因の1つになってしまいます。最初にしっかりと横向きになってもらい、肩から背中に沿ってクッションを当てる様にします。


背中だけでなく足にも忘れずにクッションを入れます。足にクッションを使わないと上半身と下半身がねじれた状態になってしまいます。



同じクッションを使用しても、少しの位置の違いで圧のかかり方が変わってきます。背中のクッションの入れ込みが甘いと強い圧の赤色が出ていますが、しっかりと正しい位置まで入れ込むとそれが解消されています。


拘縮のある方は、体とマットの隙間が大きくなりがちなので、こちらも隙間のない様にしっかりクッションを入れます。この場合は膝下に3つ使いました。


さらに除圧


ポジショニンググローブを使い、体とマットの間を腕を滑らす様に通し「圧抜き・背抜き」をします。このひと手間で小さな圧もなるべくとっていきます。


圧の強い色が減り、体への負担が少なくなったことが分かります。


褥瘡は出来るのは早いが、治るのはその数倍の時間がかかると言われます。そして褥瘡が出来るという事は、長時間、不快感と痛みを与えているという事でもあります。楠清里苑では昔より比較にならない位に褥瘡は減っており、こういった勉強会と栄養管理、介護士の日々の努力によるものだと思っています。また積極的に学びの場を設けて介護に生かしていきたいと思います。


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